鳴門アカデミー合唱団(山田啓明指揮) ジョスカン『ミサ・パンジェ・リングヮ』

 ジョスカンのミサ・パンジェ・リングヮの多分理想的な演奏(僕としてはですが).演奏は徳島県の鳴門アカデミー合唱団(山田啓明指揮).日本の合唱団が一番の理想的演奏とは思いませんでした.男声(多分プロかセミプロ)が少人数のフル・ヴォイスでしっかり歌っていて,上の声部はかなりの大人数です(多分プロアマ混成).現代の合唱としてはバランスは普通じゃないように思えますが,この極端な頭でっかちの声部バランスこそルネサンスでは割と普通だったことが文献から分かっています.このの演奏を聴いていても,これがルネサンス音楽では理想的な声部バランスだろうと思います.指揮者がかなり言葉の表出を激しくやってくれていますし,プロポルツィオが変わるところなんかもよく効果がでています.僕がMIDIで作ってもこういうイメージで作ると思いますね.完全プロポルツィオのところとCUTの速度の差はもうちょっとあったほうがいいかとは思います(ですがよく対位法がわかる結果となっています).あとチェスターの楽譜はたしか声部を現代混声合唱用に入れ替えたりしているので,これも写本か写本から起こした楽譜でやってくれればよかったでしょうか……

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スプリット・キー・チェンバロの動画

ミーントーンのチェンバロで,黒鍵盤を分割して可能な限り純正な和音がでるようにしたチェンバロがルネサンス後期・バロック初期に考案され,実際に作られたことがあるようです(半音階を使った楽曲での協和しきれない音程を回避するため).それを実際に演奏した動画.純正律にうるさい人でもちょっと微分音酔いするかもしれません.厳密な絶対音感がある人が聞いたら半日ぐらい頭痛がすると思います.アバウトな移動ド音感の僕でも連続では聞いていられないですが,面白い動画ではあります.


Nicola Vicentino (1511-1575/1576年) 著 L'antica musica ridotta alla prattica moderna (Roma 1555)にある実例(原本ファクシミリはこちら)だそうです.3分ぐらいですが,2回も聞くと僕でも微分音酔いします.



こちらは Galeazzo Sabbatini (1597–1662年) の通奏低音つき三声のモテット.どんな純正律信者でもこれを厳密に歌うことはできないでしょうね.演奏している人の音感の精密さと柔軟さに脱帽です.声楽が入っているので上の動画よりは聞きやすいですが,連続して聞くと微分音酔いしますね.ソプラノは以前にもフレスコバルディの動画で紹介している Alice Borciani さん.多分21世紀のプリマ・ドンナは古楽演奏者のこの方だと思います(僕としては20世紀のプリマ・ドンナは Amelita Galli-Curci か Luisa tetrazzini だと思います).


posted by 新見我無人 at 10:21Comment(0)日記