はじめに (ブログ開設時に書いたご挨拶)

はじめに


 15世紀初頭、イギリスの音楽、特に3度の和声を基調にした芳醇な和声と数理的な音楽構造が、大陸の北フランス・オランダ・ベルギー近辺の低地の音楽家に取り入れられてから、音楽史上もっともエキサイティングな時代が始まります。

 その地域の名前を借りて、後にフランドル楽派あるいはネーデルランド楽派と呼ばれることになる音楽家達は、まさにヨーロッパ中をまたにかけた活動をしました。時代はルネサンス、文芸復興の気運に相応しく、彼らは伝統を咀嚼しながらも、様々な形式に束縛されていたその伝統から脱却し、互いに競い合ってポリフォニー音楽のあらゆる可能性を追求しつつ、優れた作品を生み出し続けました。

 彼らの作品は、最初は丁寧に筆写された写本によって、後には新しく始まった印刷楽譜によって広められ、音楽家自身も、ヨーロッパの有力な宮廷・教会、あるいは教皇庁などの歌手として活躍しつつ、作曲活動を行いました。彼らの故郷が戦争に巻き込まれ、音楽もより直接的な感情表出のためにポリフォニーから脱却しようとする方向が決定的になってゆく16世紀後半まで、音楽世界はまさに彼らを中心に回っていたといって過言ではないでしょう。

 この時代が過ぎ去った後、一部の例外を除いて、フランドルの音楽家たちは徐々に忘れられ、今日まで殆ど名前を知られることはなくなったのですが、彼らが対位法においてあげた成果は間接的にバッハ、モーツアルト、ベートーヴェンらを準備したと言えるでしょう。しかしながら、彼らの作った作品そのものも、決して歴史にのみ名前を残されるべきものではなりません。バッハ、モーツアルト、ベートーヴェンの音楽が、過去の遺物でないように、彼らの音楽も今なお燦然とした光を放っていることが分かるでしょう。

 このホームページは、フランドル楽派の音楽をより多くの人に知ってもらうことを目的に作られました。MIDIによる音楽紹介、作曲家についての紹介、コラム、CDの紹介などが主な内容になると思います。しばらくは不完全な状態が続くと思いますが、よろしくお願い致します。

2002年6月29日
新見 我無人(にいみ がむと)


posted by 新見我無人 at 13:06Comment(0)日記

カピッリャ・フラメンカ

 ブログ開設からだいたい16年ぐらい経っているのですが,色々その間にいわゆる古楽関係にも色々重要な出来事がありました.そのうちルネサンス音楽に関しての最大の激震は,今後の成果が本当に楽しみであったカピッリャ・フラメンカ(Capilla Flamenca)が,リーダーの Dirk Snellings の死去とともに解散してしまったことでしょう.カピッリャ・フラメンカは,特にピエール・ド・ラ・リューの名盤を次々と出していて,ジョスカンの名声のもとで不当にかすめられてしまっていたラ・リューの凄さを知らしめてくれていました.このままラ・リューのミサを全て録音してくれると思っていたのですが,2014年7月15日,Dirk Snellings氏は享年55歳にしてお亡くなりになり,その前年には解散していたということですす.彼らの録音はほとんどがすべて既存の演奏史を塗り替えるもので,同じくすでに解散したヒリヤード・アンサンブルをも超える,いわばフランドル楽派の歌手たちの再来ともいうべきグループでした.もちろん,ここ数年来,古楽の世界は新進の優れた音楽家が本当に多数生まれていて,彼らこそが今後フランドル楽派の全容を明らかにしてくれるはずですが,そのリーダーシップをとるはずであったカピッリャ・フラメンカの喪失は本当に残念です.


 幾つか動画を.
 
 カピッリャ・フラメンカのドキュメンタリー.



 イザークの「イスブルックよさらば」


 ラ・リューの「サルヴェ,救い主の御母」Salve Mater Salvatoris

posted by 新見我無人 at 23:37Comment(0)日記

ピエール・ド・ラ・リュー ミサ『汝の御加護のもと』とミサ『アルマーナ』

 MIDIで作ったミサ二つ分をmp3化したもの.こちらのミサ曲,ミサ『汝の御加護のもと』まだしっくりした感じにできませんでした.少し冷静になってもう一度テンポなど設定しなおしたらよかったのかもしれません.ミサ『アルマーナ』はムジカ・フィクタが難しかった記憶がありますが,今聞いてみるとだいたいあってるかと思います.
 ところでミサ『アルマーナ』は Beauty farms の名演が全てYouTubeで聞けます.サンプルだけかとおもったら,ミサ『アルマーナ』を含めた4つのミサの全曲をYouTubeに提供しているようです(しかもつい1週間前に).

ミサ『汝の御加護のもと』


ミサ『アルマーナ』


Beauty farmsによるラ・リューの4つのミサ曲Playlist



posted by 新見我無人 at 22:18Comment(0)日記