カピッリャ・フラメンカ

 ブログ開設からだいたい16年ぐらい経っているのですが,色々その間にいわゆる古楽関係にも色々重要な出来事がありました.そのうちルネサンス音楽に関しての最大の激震は,今後の成果が本当に楽しみであったカピッリャ・フラメンカ(Capilla Flamenca)が,リーダーの Dirk Snellings の死去とともに解散してしまったことでしょう.カピッリャ・フラメンカは,特にピエール・ド・ラ・リューの名盤を次々と出していて,ジョスカンの名声のもとで不当にかすめられてしまっていたラ・リューの凄さを知らしめてくれていました.このままラ・リューのミサを全て録音してくれると思っていたのですが,2014年7月15日,Dirk Snellings氏は享年55歳にしてお亡くなりになり,その前年には解散していたということですす.彼らの録音はほとんどがすべて既存の演奏史を塗り替えるもので,同じくすでに解散したヒリヤード・アンサンブルをも超える,いわばフランドル楽派の歌手たちの再来ともいうべきグループでした.もちろん,ここ数年来,古楽の世界は新進の優れた音楽家が本当に多数生まれていて,彼らこそが今後フランドル楽派の全容を明らかにしてくれるはずですが,そのリーダーシップをとるはずであったカピッリャ・フラメンカの喪失は本当に残念です.


 幾つか動画を.
 
 カピッリャ・フラメンカのドキュメンタリー.



 イザークの「イスブルックよさらば」


 ラ・リューの「サルヴェ,救い主の御母」Salve Mater Salvatoris

posted by 新見我無人 at 23:37Comment(0)日記

ピエール・ド・ラ・リュー ミサ『汝の御加護のもと』とミサ『アルマーナ』

 MIDIで作ったミサ二つ分をmp3化したもの.こちらのミサ曲,ミサ『汝の御加護のもと』まだしっくりした感じにできませんでした.少し冷静になってもう一度テンポなど設定しなおしたらよかったのかもしれません.ミサ『アルマーナ』はムジカ・フィクタが難しかった記憶がありますが,今聞いてみるとだいたいあってるかと思います.
 ところでミサ『アルマーナ』は Beauty farms の名演が全てYouTubeで聞けます.サンプルだけかとおもったら,ミサ『アルマーナ』を含めた4つのミサの全曲をYouTubeに提供しているようです(しかもつい1週間前に).

ミサ『汝の御加護のもと』


ミサ『アルマーナ』


Beauty farmsによるラ・リューの4つのミサ曲Playlist



posted by 新見我無人 at 22:18Comment(0)日記

ピエール・ド・ラ・リューの動画など

今は色々動画で演奏が視聴できるので,ピエール・ド・ラ・リューの演奏をいくつか紹介しておきます.


最初はモテット「我が息子アブサロンよ」"Absalon fili mi"ジョスカン作とされていたものの,スタイルなどの分析からラ・リュー作とされたものです.地に這うようなバッススの低音とゆったりと漂うような対位法はやはりラ・リュー独特というしかないですね.Vox Early Music Ensembleの演奏で,このバッススはGlenn Millerというオクタヴィストの方が歌っています.



こちらのAmazonデジタルミュージックでこの演奏とやはり超低音バッススの『死者のためのミサ』が購入できます.

Extreme Singing: La Rue Requiem and Other Low Masterpieces of the Renaissance
Extreme Singing: La Rue Requiem and Other Low Masterpieces of the Renaissance


こちらは「悲しみ,呻き」"Plorer, gemir"は音楽学者Ross W. Duffinのご自身の校訂版による演奏です.合唱はプロ合唱団Quire Clevelandです.ルネサンス世俗曲にしては人数は多いものの,滅多にない名演といえるとおもいます.ルネサンス音楽は少人数による演奏がいいという誤解がありますが,全然関係ないことがわかりますね.




こちらは画家ボッシュの没後500年記念に演奏された『死者のためのミサ』の演奏.レベッカ・スチュワート先生が脱退したあとの Capella Pratensis の演奏です.残念ながら超低音を避けて上に移調していますが,これはこれでいい演奏です.Bo Holtenが指揮に入っています.




こちらは世俗曲をミサにしたパロディミサですね.ミサ『タンデルナーケン』.William Kempster指揮のニューハンプシャー大学合唱団(記載はないですが)の演奏.










チェコはブルノの合唱団 Ensemble Versus によるモテット "Salve Regina" V の演奏.ラ・リュー独特の節回しをうまく演奏されています.




Beauty Farmによるミサ・アルマーナ.MIDIにもした思い出の曲ですが,やっぱり実演にはかないませんね.



上はサンプル動画です.こちらで4つもミサを購入することができます.
La Rue: Masses
La Rue: Masses

いい演奏だけでも探していれば1日かかりそうなぐらいあるとおもいますが,演奏できる環境にある方々は是非是非,ラ・リューに取り組まれることをお勧めします.シンプルで楽しく美しい演奏効果のある曲もあれば,そして複雑極まりない対位法の極みの曲まで色々あります.もしアマチュアで演奏するなら,ジョスカンよりもラ・リューこそ断然選ぶべき作曲家だとおもいます.

posted by 新見我無人 at 21:06Comment(0)日記

ピエール・ド・ラ・リュー没後500周年 ミサ『武装せる人』『死者のためのミサ』

 今日はピエール・ド・ラ・リューの没後500周年です.この日にブログが間に合って本当に良かったです.

 サイトでMIDIを作った時に,一番衝撃を受けたのはやはりピエール・ド・ラ・リューでした.ジョスカンももちろん凄かったのですが,こちらはある程度録音などでその凄さはわかっているというのがありました.ところが,ラ・リューはやはりまだ演奏がいいものが少なく,特にミサ『武装せる人』は録音はいくつかあったものの,まだ演奏家が攻めあぐねているところがあって,凄さがわかりませんでした.MIDIで打ち込んだところ,音の確認をするはしからとんでもない音楽がほとばしり出てきてびっくりでした.そこまで伝わるMIDIになったのかどうか……わかりませんが,とりあえずMP3に変換したものをあげておきます.

 残念ながらMP3に変換する際にどうしてもスクラッチ音が入ってしまいます.問題が解決されたら上げなおすことにします.保存はシークバーの上などを右クリックすると「別名で保存」のところが出てきます.

ミサ『武装せる人』



『死者のためのミサ』

posted by 新見我無人 at 01:31Comment(0)日記

ブログ『フランドル楽派の音楽家たち』開設にあたって

 ルネサンス期フランドル楽派の紹介をしていたサイト『フランドル楽派の音楽家たち』は長期間休眠状態にありました.この度,ジオシティーズが閉鎖されることになり,そのまま消滅をまつことも考えたのですが,しかし少しは心残りのある midi や文章・資料などもあるので,それらをこちらに少しずつ移動させようと思います.その他,昨今のいわゆる古楽の分野の演奏技術の発達は本当に目覚ましく,以前はなかなか実演をみる機会のなかった曲なども動画で視聴することができるようになり,少しこの方面を利用しながら,もう一度フランドル楽派やその周辺の音楽などに目を向けていこうかとも思っています.
 なお,2018年11月20日は,『フランドル楽派の音楽家たち』でも非常に注目していた音楽家,ピエール・ド・ラ・リューの没後500年にあたります.命日の前日にブログを作ることができたのは幸いでした.
posted by 新見我無人 at 00:26Comment(0)日記