J. S. バッハ 『独奏ヴァイオリンのためのパルティータ 3番』

 フランドル楽派ばかりでなくバッハなんかの midi も作っていました.一応これでもバッハの自筆譜のファクシミリから直接打ち込んだものです.さすがにMacに最初からついているGM音源なりの安っぽい音ですから,覚悟はしていましたが,こんなにフニャフニャした midi になっていたとは思いませんでした(笑).もっといい音源ならいい音になったかもしれませんが,これが当時鳴っていた音なのでこれであげることにします.

J. S. バッハ 『通奏低音なしの独奏ヴァイオリンのためのパルティータ 3番』(BWV1006)



じつはこの midi を作ったのは,ワルター・カーロスがMOOG III シンセサイザーを使って作った世界初のシンセサイザーのアルバム『スイッチト・オン・バッハ』の第1曲が,バッハのこの曲(というかこの曲をカンタータ29のシンフォニアに編曲したもの)だからです.動画は残念ながらワルター・カーロスのそれではなく,ワルター・カーロス様式でのカバーですが,ほぼこんな感じです.



実演を探してみました.しかし,こんな midi を作っている人間が言う言葉かという感じで申し訳ないですが……あんまりいい演奏はないもようです.全体としては若い方々の演奏のほうがなんだかいい雰囲気で,これからすごい演奏がでるということなのでしょう.部分の演奏ですがちょっと貼り付けておきます.

Tessa Lark さんの演奏.前奏曲だけですが,いい演奏だと思います.2014年のインディアナポリスでのヴァイオリンのコンペティションの予選ビデオのようです(本選で銀メダリスト).ヴァイオリンはストラディヴァリウス.さすが midi 音源とは違いますね(当たり前だ).弓も歴史的なものだそうですが,基本モダンの方のようです.



Soobeen Leeさん.韓国の15歳.すごいです.前奏曲とルールのみ.



YouTubeに上がっている前世紀の演奏家のこの曲は,部分部分いいところがあったりしますけど,全体としてピンとくるような演奏ではない感じです.弦を相当強くこすってギシギシした音になっているのがバッハじゃない感を強めていると思います.上の若い方々の演奏のほうがすばらしいです.

全曲ライブ動画でいいものはあまりないです.古楽のSigiswald Kuijkenのライブ演奏はありましたが,しかし正直なところ,渋い……という感じの演奏ですね.



ネット上で聞いた限りではヒラリー・ハーンがベストでしょうか(多少弦をギシギシやっているのが気にならないでもありませんが).これは前奏曲のライブ(アンコール?).


posted by 新見我無人 at 20:30Comment(0)日記

ジョスカンのスターバト・マーテル

もう実演も豊富で需要もないでしょうが,写本からmidiを作り始めて比較的最初の頃に作ったもので,なかなか愛着のあるmidiではありました.しかしさすがに15年ぐらい経った今聴きなおしてみるとムジカ・フィクタを幾つか変更したほうがいいかなとは思います.


元になったジル・バンショワのロンドー「絶望した女のように」Comme femme desconforteeが定旋律に使われていますが,その演奏はこちら.The Binchois Consort のライブ録音です.



ジョスカンのスターバト・マーテル,実演の動画をいくつか.

上のThe Binchois Consort のライブ録音.



Ensemble Non Pareilheのライブ演奏.



GRAINDELAVOIXの演奏.装飾音を挟みながらの演奏です.当時は実際は即興の装飾はしばしば行われていたことは証言が色々あったので,装飾音を入れることは悪くないと思いますが,作為を感じる入れ方で,失敗例といえるでしょうね.もっとさらりと自然に入れるのがフランドルの音楽家たちの流儀だったのではないかと思います.


posted by 新見我無人 at 23:35Comment(0)日記

Ensemble Salicus 演奏会 (11月30日19時〜 大森福興教会) アレクサンダー・アグリコラのミサ曲

アグリーコラの曲は注目されていないなどと書いたのですが,なんとアグリーコラのミサ曲演奏会があります.
特に確認も取っていませんが,勝手に紹介させていただきます.なお,僕自身は行けません……


Ensemble Salicus演奏会
​アレクサンダー・アグリコラのミサ曲


日時:2018年11月30日(金)19:00開演(18:30開場)

会場:大森福興教会
東京都大田区山王2-12-10
JR大森駅西口より徒歩5分



曲目:

アレクサンダー・アグリコラ
(1446?-1506)


Alexander Agricola

第2旋法のミサ

Missa secundi toni



グレゴリオ聖歌

待降節第1主日のミサ固有唱

Gregorian chant

Proprium missae a dominica prima adventus



料金:

一般3,500円(当日4,000円)

学生2,000円(当日2,500円)

Salicus Kammerchor 2018-19年シーズン定期会員:前売り券各500円割引



演奏:Ensemble Salicus
鏑木綾 渡辺研一郎 富本泰成 櫻井元希



チケット受付:

[TiGET] (当日精算お取置きでのお申込)

https://tiget.net/events/33237



連絡先などはサイト(https://www.salicuskammerchor.com/concert)で
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フレスコバルディの鍵盤楽曲

もう少しフレスコバルディを.こんどはチェンバロ・オルガンで.意外とCDを聞くとなぜかフレスコバルディはピンとこないです.どうも即興性とか場の雰囲気とかがあって,スタジオ的な環境で録音するのには向いていないのかもしれないですね.ここではライブ録音を中心に.


最初からライブではないですが……トッカータ集第1巻の第1曲です.フレスコバルディが好きな割には結局作った midi はこれ1つだけ.チェンバロを弾く時はアタック時の倍音が重なった時に出る耳障りの悪い金属音を避けるために,同時に鍵盤を押さずにタイミングをずらすのを,midiでもやってみました.テンポはフレスコバルディの指示通り,かなり自由に変えたつもりでしたが,今こうして聞いてみるとわりとおとなし目ですね.演奏家の方々の実演のほうがもっと自由にやっています.



Eckart Kuperさんの演奏.「チェンバロのタブラチュアのためのトッカータとパルティータ」第1巻 Toccate e partite d'intavolatura di cimbalo libro primo (1615年)から第10トッカータ,ロマネスカに基づくパルティータ,第9トッカータ.ライプツィヒのバッハ博物館での演奏だそうです.


イタリアの Marco Mencoboni さんの演奏.心なしかイタリア気質が現れているような気がします.音楽の花束から「主日のミサ」


Robert Zappullaさんの演奏.曲目はあとからわかったら付け加えます.



Enrico Baianoさんの演奏.フレスコバルディばかりではないですが,大変面白い演奏です.

曲目は
- Giovanni de Macque (1548? - 1614), Capriccio sopra re fa mi so Prime Stravaganze, Capriccietto
- Ascanio Mayone (1570? - 1627), Toccata Seconda, Canzona Francese Quarta
- Giovanni Maria Trabaci (1575 - 1647), Canzona Franzesa Quarta, Capriccio sopra la fa sol la, Gagliarda Quarta
- Girolamo Frescobaldi (1583 – 1647), Cento Partite sopra Passacagli, Gagliarda Quinta - Toccata Nona, Canzona Quinta, Canzona Sesta, Toccata Seconda,
Capriccio Quinto sopra la Bassa Fiamenga
- Gregorio Strozzi (1615? – 1687?), Sonata Seconda del Secondo Tono naturale, Màscara ballata e sonata da piú Caualieri Napolitani nel Regio Palazzo,
Balletto Secondo, Toccata Seconda del Primo Tono
- Giovanni Salvatore (1630? - 1688?), Corrente Prima, Toccata Seconda del Nono Tuono naturale, Canzona Francese Seconda del Nono Tuono naturale
- Alessandro Scarlatti (1660 - 1625), Partite sopra Follia


最後にニコニコ動画から.打ち込みによる演奏ですが,音源は17世紀オルガンでミーントーンだそうで,本格的です.

napier さんによる打ち込み.「不協和音の奇想曲」

トッカータ(音楽の花束より)

napier さんによる打ち込み.「聖体奉挙のためのトッカータ」


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Missa L'homme armé ミサ・ロム・アルメの楽しみ

 フランドル楽派のミサ曲のうち,多くの作曲家が好んで素材にしたのは俗謡「武装せる人」"L'homme armé" です.デュファイから始まってフランドル楽派からパレストリーナ,モラーレス,初期バロックのカリッシミ(なんと12声)もミサ「武装せる人」を作曲していますが,なんと現代に至ってまた再びこのテーマが復活して,これをモチーフに作曲が試みられています(有名なのは Karl Jenkins ですが,個人的にはこのフルオケフル合唱の"The Armed man"ミサはあまり好みではありません).

 サイトのほうで全曲ぶん作ったミサ「武装せる人」の midi は,前に記事にしたラ・リューと,ブリュメルです.どちらも写本から作って演奏効果がなるべく上がるようにテンポなどの微調整をかなりやりました.ブリュメルのほうは多分まだ実演などはないかと思います.

アントワーヌ・ブリュメル ミサ「武装せる人」


ピエール・ド・ラ・リュー ミサ「武装せる人」



動画ではライブ演奏があるので,貼り付けておきましょう.

Rebecca Stewart女史指揮のSchola Cantorum Brabantiaeによるオケゲムのミサ「武装せる人」の演奏.驚くほど美しいスーペリウスですが,このスーペリウスに日本の入澤真美さんが参加されています.



ヤーコプ・オブレヒトのミサ「武装せる人」Rebecca Stewart女史のワークショップの最終コンサートのようです.



イタリアの声楽グループ Cantar Lontano とドイツの器楽グループCapella de la Torreによるジョスカンの『種々の旋法によるミサ「武装せる人」』







posted by 新見我無人 at 20:10Comment(0)日記